現代とはまったく違う!?今じゃ信じられない鎌倉時代の風習


今、歴史ファンの間で話題といえば、NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」ですよね。鎌倉時代初めの物語ですが、見ていてちょっと気付きませんか?男性はみんな帽子みたいなのをかぶっていますよね?あれは「烏帽子」というもので、当時の貴族や武士は寝る時も被っていたのだとか。
今では考えられない文化ですが、現代とはまったく違う特徴があった時代だったんです。

そこで今回は鎌倉時代の風習について、今では信じられない事実をご紹介していきますので、大河ドラマを見る際の参考にして頂いたり、「明日のウンチク」として友達や家族に自慢して頂ければと思います。それではどうぞ!

意外に肉を食べていた!?鎌倉時代の食生活とは?


古くから日本へ広まった仏教ですが、鎌倉時代は特に盛んだった時期です。ところが仏教には厳しい戒律がありました。「肉を食べてはいけない」というのもその一つ。たしかに仏に仕えるお坊さんや、信仰心が篤い貴族などは肉を口にすることはなかったのですが、武士や庶民レベルでは違っていました。実は肉を食べる習慣があったというのです。いったいどうやって肉を手に入れていたのでしょうか?

たとえば武士は戦うことが仕事ですから、日々の鍛錬は欠かせません。巻狩りや騎射といった狩りを好んでいたようで、イノシシ・ウサギ・シカなどを獲物にしていたようです。それを持ち帰って調理し、ちょっとしたジビエ料理を楽しんでいました。

農民の場合ですと、死んだ農耕馬の肉や、田畑を荒らす害獣などを獲っては食していました。味噌や醤油といった調味料はまだまだ一般的ではありません。ほぼ塩だけで味付けするワイルドな料理でした。

ちなみに貴族は豊かな食生活を送っているかと思いきや、一番不健康だったようです。白米を日常的に食べていましたが、お粥にしたり、柔らかく炊くため歯ごたえがありません。食べやすい代わりに栄養価は不足していますから、脚気などの病気にかかりやすかったそうです。思った以上に貴族の寿命は短かったのだとか。

こうして見ると、武士や庶民の食事は非常にバランスが取れていたことがわかりますね。
ちなみに江戸時代の食事は米や野菜が中心でした。肉類に含まれているビタミンB1が不足していたため、脚気にかかる人が多かったとか。その点、鎌倉時代の人々は健康的な食生活を送っていたんですね。

庶民だけでなく武士も白米が食べられなかった!?


この時代、武士や庶民の食生活は貧しかったようです。「え?武士の世なのに、なぜ食べられないの?」と考える方も多いはず。実は全国に「荘園」という朝廷や貴族・有力者が持つ私有地がありました。武士は土地を管理し、徴収された年貢の一部をもらい受けるだけです。あるいは広大な土地の一部を所有するだけでした。

武士は広い領地を持っていたわけではなく、いわば手数料をもらうだけ。だから普通の武士は意外に貧しかったのです。また日頃から白米ではなく玄米を食べていました。炊かずに蒸すだけの強飯(こわいい)だったといいますから、現在の「おこわ」のようなものだったのでしょう。

いっぽう農民はコメを口にできず、粟や稗など食べていました。また他の雑穀も好んで食べていたようです。しかし栄養価という点では各種ビタミンや食物繊維が豊富ですから、意外に健康食だったと言えますね。

庶民が食べていた稗(ひえ)は「冷え」という言葉に通じるほど寒さに強い作物でした。粟とともに土質を問わない救荒作物ですから、天候によって作柄が左右されるコメに比べて、こっちのほうが良かったわけですね。これも先人たちの知恵なんですね。

鎌倉時代、驚きの住宅事情とは?


次に鎌倉時代の住宅について見ていきましょう。上級武士はそこそこ立派な居館で暮らし、「家の子・郎党」と呼ばれる家臣たちは、粗末な家屋で暮らしていました。柱を立てる束石もなく、地面に柱を差すだけの掘っ建て家屋です。しかも馬は必需品ですから、家の中で馬と共同生活を送っていました。

さらに見劣りするのは庶民の家でしょうか。都市では板葺きの家もありますが、田舎の農村では竪穴式住居が一般的だったようです。「縄文人!?」と思わず突っ込みを入れそうになりますが、茅葺き農家が出現するのは、もっと時代が下ってからのこと。古代から鎌倉時代まで、庶民の住居様式はほとんど変わっていません。

また家の中は一面の土間で、家族は身を寄せ合うように筵を敷いて暮らしていました。小上りや板間が登場するのは室町時代になってからですから、現代風に言えばテントで過ごしているようなものでしょう。
ちなみに庶民が寝る時、布団などはありません。下に藁を敷き、藁束や筵を上に重ねていたそうです。

貴族の館に比べて、武士の住まいは非常に質素でした。畳が生まれたのはこの時代ですが、当時はとても高価なものでした。そのため館の中はほとんどが板敷です。座る場所だけ藁を編んだ座布団を敷いていました。さぞかし寒かったことでしょう。

庶民は風呂なしトイレなし!どうやって清潔を保っていた?


現代は毎日お風呂へ入ることがルーティンとなっていますが、鎌倉時代の人々に風呂へ入る習慣などありません。
ちなみに武士は体を清めるという習慣があったため、沐浴などしていましたが、そんな機会は稀です。大多数の人は体を拭いたり、川で水浴びする程度でした。

トイレについても同じです。土を掘って壺を埋め、そこに用を足していました。農村では人糞肥料が登場した時期ですから、糞壺を持ち寄って肥溜めへ溜めておき、肥料として田畑に撒いていたそうです。
ところが都市部ではそうもいきません。人糞を捨てる場所もなく、ほとんど垂れ流し状態だったようです。特に京都の状況はひどくて、庶民は町のいたるところで排泄していました。
現在、京都の台所として知られる錦小路商店街のあたりも、あまりに人々が垂れ流すため「糞小路」と呼ばれていたそうです。

当時はお尻を拭く紙がなかった時代です。そのため人々は「糞べら」という道具を用いていました。また使用したあと、さすがに持ち歩くことができなかったみたいで、町のあちこちに糞べらが落ちていたそうです。今じゃ考えられないですよね。

鎌倉武士の習慣とは?


次に鎌倉武士の習慣についてご紹介しましょう。鎌倉という町は武士の都とされていますが、住んでいるのは一握りの武士のみ。ほとんどの武士は自らの土地で生活していました。そして合戦など、危急な出来事が起これば鎌倉へ向かったそうです。「いざ鎌倉」ということわざの語源となっていますね。

また武士たちは自ら田畑を耕すことも日常でした。庶民との身分にさほど垣根があった時代ではないため、自分の食い扶持を自分で耕していたわけです。農作業は鍛錬にもなりますからね。

さて武士である以上、戦う時もあります。ちなみに当時の鎧はとにかく重いものでした。軽く30キロ以上はあるでしょうか、とにかく敵の矢を通さないために頑丈だったのです。
ちなみに当時の主力武器は、刀でも槍でもなく「矢」でした。だからこそ巻狩りや流鏑馬などで汗を流し、弓矢の鍛錬をしていたのです。

また一般の武士は騎乗が普通です。重い鎧では歩くことすら苦痛ですから、みんな馬に乗っていました。持っている刀も「日本刀」ではありません。馬上でも使いやすいように、反りの強い「太刀」を携えていたのです。

鎌倉武士は本当に強かったの?という素朴な疑問ですが、13世紀後半に起こった蒙古襲来で、日本の武士たちはとてつもない強さを発揮しています。特に弓矢の威力は抜群だったらしく、敵の射程範囲外から強い矢を放てたそうです。これも日頃から鍛錬した成果だったのかも知れませんね。

鎌倉時代になって生まれた年中行事とは?


今では当たり前になっている年中行事も鎌倉時代に生まれています。例えば5月の「端午の節句」もそうですね。鯉のぼりを上げて五月人形を飾るという風習ですが、現在のような形態になるのは鎌倉時代からです。
当時は男子の健やかな成長を願って菖蒲を飾り立て、勇ましい吹き流しを立てていました。菖蒲は「尚武」「勝負」という字に通じますし、吹き流しは軍勢を表す軍旗です。いかにも武士の風習らしい行事ですよね。これが形を変えて現代へ受け継がれているのです。

また正月には「どんど焼き」というものがあります。よく神社の境内で注連縄などを焼いているアレですね。
元来は3本の「毬杖(ぎちょう)」を焼いたことから名付けられました。毬杖とは鮮やかな糸で飾った杖のことで、正月に木製の玉を打って遊んでいたそうです。ちょうどホッケーのような感じでしょうか。
また左利きのことを「ぎっちょ」というのもこれに関係があるとされています。こうした風習が形を変えて現在のどんど焼きへと繋がっていきました。

「端午の節句」以外にも、女の子の行事である「ひな祭り」も鎌倉時代に形となりました。当時は、枕元に人形を置いて眠ると、身にふりかかるケガレを代わりに取ってくれると考えられたそうです。
また翌朝にはそのケガレた人形を寺に持っていき、ケガレを除く儀式をおこなったのだとか。こうして「ひな祭り」の風俗が生まれたと考えられています。
鎌倉時代の風習をご紹介しましたが、いかがだったでしょうか?現代に生きる私たちからすれば、驚きの連続かも知れません。武士や庶民の暮らしは質素でありながら、何だかたくましいものを感じますよね。
ちょうどこの頃は、それまでの貴族社会から大きく転換する時期でもありました。身分が下だった者が実力を付け、たくましく生き抜いていく時代へ入っていったのです。

健康な食生活と、明日を生きていく力。それが今を生きる現代人に必要なものかも知れません。

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